プロローグ

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 昼と夜の狭間は、此岸と彼岸の狭間に類似していると言う。 ――――そう、黄昏時。  橙と紺に交入る細道は、足下を人ならぬモノに足下をすくわれる。  そんな風に親から躾られなくなったのは、いつ頃からだったか。もう現代に、そのような『闇』は無くなってしまったのかも知れない。  誰も闇に潜む人ならぬモノの姿が、視えなくなってしまったのかも知れない。  しかし彼は、視えていた。そして追われていた。その人ならぬモノ『妖―あやかし―』から。
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