過ぎ去る日常

9/42
前へ
/450ページ
次へ
珠江 「私は……医者になろうって思ってる。でもそう思ったのはつい最近。この学園で成長できたからこそ……決めることができた夢なの……」 医者、か……。 想像を絶する努力が必要だろう。そんな夢を持てること自体がスゴい。 雅司 「医者かぁ。スゴいよ。人のために働く仕事なんて。赤松さんなら、きっといい医者になれると思うよ?」 珠江 「……ん。取り敢えず頑張ってみる……」 頬が染まったのを隠すようにフランスパンを大きな口でかじる。なかなか可愛らしい仕草。 雅司 「西郷寺さんは卒業したらブランド品会社の社長なんだよね」 ブランドと言ってもイマイチしっくりこないけど……でも、社長ならやっぱりスゴい。 鈴 「えぇ。まだ小さい会社なんですけど……それにお父様の助力なしでは何もできませんし……胸を張って言えるほどでは……」 雅司 「それでもスゴいと思うよ?社長っていうのは会社全体の責任を一身に背負わないといけないし、人望も必要になるからね。会社だってこれから大きくしていったらいいさ」 助力がないと何もできない……でも助力によって会社を任されるくらい西郷寺さんは五十朗さんから信頼されてるんだ。  
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24786人が本棚に入れています
本棚に追加