過ぎ去る日常

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やりたいことと簡単には言っても、自分の一生に関係してくること。進学にしろ就職するにしろ、本当に真剣に考えないといけない。  小さい頃は、無邪気にヒーロー戦隊ものの特撮アニメを見ながら自分も変身して怪獣たちを倒したいなどと本気で思っていた。 本当に小さい頃だったからまだ可愛げがある。今はそうはいかないけど。 空を飛び回る飛行機のパイロットになりたい。テレビで活躍する有名なプロ野球選手になりたい。映画に出演しているようなカッコいい男優になりたい。 色々思ったことはあった。でもどれも必死に追い掛けるには至らないものだった。 雅司 「……」 進路……この2つの文字が今は大きな壁にしか見えない。 愛理ちゃんは偉いな。自分でやりたいことを見つけて、それに向けて行動に移した。 自分勝手な行動だって思った時もあったけど……やっぱり愛理ちゃんはスゴい。 香代 「よし!決めた!」 横で香代が声を大きくして立ち上がった。 雅司 「なにかやりたいことでも見つけた?」 香代 「うん!私、お笑い芸人になりたいんや!」 なんとも意外な……でも香代のやりたいことなら否定はしない。できない。  
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