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『去年、夫が癌で死んだとき、一雄にマンション買ったのが、いけなかったのかしら…』
杉並区役所の広報課のエリート公務員が無断欠勤したことが事の発端であった。
流山市役所の前にあるタバコ屋でラークを購入して、公園のベンチに向かい合わせて、悦子と腰をおろした。ミニスカートの裾から雪白のふとももが、目に眩しかった。
『今回の一雄のこと、単なる失踪事件とは思えないのよ…』
『僕は、まだ杉並区の善福寺町に住んでいるとばかり思っていたんです』
『まあ、何かあったら周蔵さんと連絡してと、言っていたのよ。おかしいわね』
『一番最近はいつ一雄と顔会わせましたか?』
『今年のお正月が、一番最近ね『その時、かわったこありませんでした。
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