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『海に入ってもあたしから、離れなかったわね…』
周蔵ははっきり、記憶していた。悦子の手カイパンの上から周蔵のものを、まさぐっていた。
すっかり、日の暮れた流山を二人は、恋人のように身体を寄せて歩いている
『あたし…周蔵さんが好きだった』
ほとんど、人通りのない歩道はうっそとした木々に囲まれていた。
旅の恥はかきすて…。北海道からきたばかりの悦子と初めて流山にきた周蔵が歳のさをこえて22歳は、もはや傷害ではなかった。
人通りもないといった安堵感も手伝いたちどまつた悦子が、瞼を閉じた…。
子供のころ、憧れまとだった悦子が、手の届く存在になったのは、年齢差の妙見かも知れない。31と9。46と24。
一雄のマンションは平和台の小高い流山全体を見下ろす場所、しかも最上階の九階3LDKであった。
夕食の後、悦子は歩道の暗がりで、キスしたことを恥じらっているようで、口数がめっきりへった。
周蔵は一雄のマンションに入るなり、まるでデカのように、パソコンのおいてある書斎やバスルーム。リビングの応接セット。バルコニーの物干し台と隈無く見渡した。
『周蔵さん?コーヒー、それとも紅茶にします‼』キッチンで、悦子の声がした。
悦子がダイニングのテーブルの前にコーヒーを置いた。
『恥ずかしいんですけど…セックスレスだったんです』
『なにが、原因だったのですか?』
『死んだ、夫の恥じを晒すことになるんですが…』
テーカップを口元まで、運んで悦子が、ため息をついた。
『一雄が生まれてから、人が変わったように、浮気を始めたのよ…』
真向かいのソファーに座る悦子が、脚を組み換える拍子に紫色のレースのパンティーが、チラッと覗いて見えた。
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