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「どうすっかなぁ~……傘、持ってるか?」
「ぅ、うん。一応は」
言われて、鞄から傘を取り出す。
「ゲッ!!なにこれー!?」
慌ててたから気付かなかった。
この傘、妹のだ……
「はぁ~……こんなんじゃ入りたくないでしょ?」
と言って、傘を広げる。
「うゎ………」
聡の反応も理解できる。
花柄で、周りにレースが付いてる、ピンクの傘。
よく今まで気付かなかったものだ……
思いっ切り凹む。
もー、最悪…
そんな時だった。
「しょうがない!」
「ぇ?」
聡が急に大声を出すからそっちを見ると、
「しょうがないから入ってやるよ!」
なんて、あの子供みたいな笑顔で言うものだから、
――ドキッ
(や、やだ……何ときめいちゃってんのよ私!)
恋に落ちたらしい。
んな唐突な………
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