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「駅、着いちまうな」
「そうだね……」
視界の先に、噴水が見えていた。
もう、駅に着く。
「もう、会えないの?」
「どうだろな……」
こんなに近くにいるのに、その一言ですごく遠くに行ってしまったような、そんな気がした。
「ねぇ、聡?」
「どうした?」
「手、繋ご?」
「ぇ?ぁ、あぁ。いいけど」
そう言って、最後の数十メートルを、手を繋いで歩く。
そして、着いてしまった。
駅前の噴水。
「バイバイ……なのかな?」
「……だな。また、会えるといいな」
「浮気しちゃダメだからね!」
「しねぇって」
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