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私は、勇気を振り絞って、もう一度叫ぶ。
「私を、抱きしめてーーーーっ!!!!!!」
って、おいっ!
何を叫んでるんだ私っ!!!!
その絶叫に、聡は呆然としていた。
すかさず取り繕う。
「な、なんてねっ!気にしないでっ!!」
私は踵を返して、聡とは反対方向に、逃げ出すように駆け出―――
――ギュッ
「絶対帰ってきて、高橋のこと幸せにすっから、元気にしてろよ?」
どうやら、私があまりにも足が遅いから、捕まったらしい。
その台詞だけを言い残して、聡はまた、走り出した。
帰ってきて、私を………
私は、顔が熱くなるのを感じた。
そして、嬉しさとか喜びとか、そういうのを噛み締めて、家路についた。
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