君の好きなうた/UVERworld

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彼女を好きになったのはちょうど1年前。 どうして好きになったのかなんて、とうの昔に忘れてしまった。 それからというもの、彼女の話す声のトーンや視線、他の誰かと交わす言葉や些細な仕草さえもが僕を惑わす種となった。 そして今日も、帰り道に彼女と一緒になった。    「それでさ~」   基本的に彼女が一方的にしゃべって、僕は聞き手になる。 彼女の話題は、よくそんなに集めたものだと褒めたくなるほど豊富だ。 ひとつひとつは大して面白い話ではないのだけれど、    「ぁ、そうそう。駅前に新しい店できたの知ってる?」    「ぇ? ファッション関係の?」    「違う違う。その話はもういいの」   といった具合に、コロコロ話が変わるのだ。 それが何だか、聞いてる本人としてはなかなか飽きない。
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