君の好きなうた/UVERworld

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 「ぁ、ねぇねぇ? 好きな人とかいるの?」   っ!? いきなり何を言い出すんだこの人はっ!?!?    「い、いるけど……」    「へぇ~。ちょっと意外かも」   彼女はそう言って、コロコロと笑いながら僕の前を後ろ向きに歩いていく。    (君は? ……とは聞けないな)   彼女の気持ちが僕と同じように、ここにあったらいいのに…… と、心底思う。 あれ? 今なら言えるかも知れない。 というか、こんな奇跡的なタイミングはもうない!!!! と、思ったのもつかの間、    「おっと、じゃ、またね~」    「えっ、ぁ、うん。また」   彼女はまた消えてしまった。 間が悪いのだろうか。 また何も言えなかった。 今ならまだ何か言う勇気がある気がする。 今すぐ会って、この気持ちを…… と思いつつ、また彼女の好きな唄を繰り返し口ずさむ。
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