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どこにいても、何をしている時でも、彼女のことがどうしても頭から離れない。
彼女は僕に、想いが届かない辛さや恋の切なさ、人を愛する喜びをもう一度教えてくれた。
「どうかしたの?」
「ぇ? どうして?」
「なんか難しい顔してたからさ」
「そう? なんでもないよ」
「ふーん。変なの!」
彼女はそう言って、またいつもの様に笑いかける。
そんな彼女の笑顔も、時々かかってくる電話の、受話器越しの声も、人込みが苦手そうな小さな身体も。
正直治してほしい悪い癖だって、彼女にしかないもので輝いてる。
全てが彼女だけのものだった。
僕の中で、彼女を想うことが、明日を生きる原動力になっていた。
もし僕らが向き合えたら、同じ歩幅で、お互いを信じ合える道を歩んでいきたいと思う。
まぁ、僕の意気地がないだけだけど。
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