from Y to Y/初音ミク

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家に着くと、まず部屋を見渡す。 狭いワンルーム。    (なんか、こんな広かったっけ……?)   少しばかり広く感じる。 まるで、私の心の隙間を広げるかのように…… 疲れた私は、ベッドに横たわる。 ほんの一分一秒が、とても長く感じる。    「……はぁ…」   ため息が零れる。 そして同時に、    「あいつと過ごせたら……」   と、独り言。 この世界は、願うことさえ許されないのだろうか。 彼を思っての嘘でさえ、彼の涙を生んでしまう。 そんな私は、数え切れない程の罪を重ねてきた。 彼のその手に触れたことも。 彼の隣で、そっと生きようとしたことも。 私の重ねてきた罪を前に、許されないことだったのだろうか。 それなら私は、どうすればいいのだろうか。
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