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あれから数日が経った。
広いベッドで眠る夜はまだ明けない。
彼がいた時は、あんなにも狭く感じたのに。
私はまた、濡れた枕で、一人で夢を見る。
彼との記憶をたどる夢を。
その夢の中でも、数え切れない程の罪を重ねてきた。
彼の手に触れたこと。
彼の隣で、そっと生きようとしたこと。
この罪も、孤独の痛みで償うから、せめて、
「忘れないで……」
記憶の中に、そっと居させて……
――~♪
そんな時、何日ぶりかになる着信音が、部屋に響いた。
彼から、メールだった。
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