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「ちょ、遅いじゃないっ!」
「わりぃわりぃ。野暮用でさ」
ならいいけど……と、拗ねたような声を出してみる。
気合いを入れた私と違って、聡は至って普通の格好だった。
そりゃそうか……
「じゃ、行くか」
「ぁ、うん」
と言って歩きだした時。
――グゥゥ~~~……
私のお腹が、盛大な音を立てた。
顔がもの凄く熱くなる。
「高橋、飯食ってないだろ?」
「ぅ、うるさいわねっ!ギリギリだったのよっ!」
聡は、やーいと言って、子供みたいに笑う。
それから、
「なんか食うか。実は俺も食ってねぇんだ」
「うん」
聡に言われるままについていく。
なんか気に食わない……
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