由宇の相談

4/4
前へ
/262ページ
次へ
「お待たせー」 相変わらずの笑顔でドカッと由宇の隣に座る。 ここからは、お母さんの独壇場。 携帯電話がどこにあったとか、知り合いの誰々に会って立ち話しちゃったとか。 由宇の相談は一時中断となった。 なんだかんだと話しをしているうちに、僕の子供がカブトムシを飼いたいと言っていた話になり、 「近くにたくさん捕まえれる場所があるのよー」 という話になった。 僕は軽く、 「そうなんですか、いいですねそんな場所があるなんて」 程度の返事で流しておいた。 この時由宇は笑顔に戻っていた。 まだこの時点で僕は由宇をお客さんの娘としか見ていなかった。
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

328人が本棚に入れています
本棚に追加