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本当にこの時は、
「若いな」
と思った以外は何とも思わなかった。
でも、これに気を良くしたのか、休憩時間に、
「今日機械屋さんと仕事終わったらご飯食べに行くから、いいかっこしといでよ」
と娘に電話を掛けているうえに、勝手に夕食に行く事になっている。
「えぇ…… 早くホテル行ってゆっくり休みたかったのに」
と思っていると、いきなり、
「はい、娘」
と電話を渡された。
あたふたしたが、仕事だと思い込み、仕方なく話す。
「もしもし、お世話になっております。○○株式会社の涌井と申します」
「もしもし……母がお世話になってます、娘の由宇です……すみません、母こういう無茶振りみたいの多くて……」
由宇と初めて話をした時だった。
携帯電話の写真を思い出す。
「ハハ……いや、おかげさまで楽しく仕事させてもらってます」
「ではまた後ほど」
こんな感じで、満面の笑みの長谷川さんに電話を返した。
正直、面倒臭さでいっぱいだった。
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