序章

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汚れを払い、刀を鞘に収めると、男が振り向く。 無表情に見つめるその先にあったものは、一匹のインビジブルの死骸だった。 インビジブル。 時に影とも呼ばれる彼らは、獲物に音もなく忍び寄り、食らい尽くす。 気配を察知することは常人には不可能だが、男には造作もないことだった。 見えないものを見、聞こえない音を聞く。 男の持つ特異な力の一つだ。
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