0時限目- 革命

4/5
前へ
/113ページ
次へ
  ここは、昔の風情も残しながらも少しずつ都会になりつつある町にある、私立『日野高校』。     春の暖かな風が吹くのに、会議室には慌ただしい風が吹いていた。     「校長!このままでは、この学校は生徒数減少とともに、経営が難しくなる一方です」   とある教員が言う。   またある教員は、     「校長!またうちの生徒が他校とトラブルを…」   と、またまたある教員が     「組長!」   「誰が組長じゃ!!」     って言うやり取りは置いといて、とにかく慌ただしく動いていた     「校長!何か手を打たないと大変な事になります。毎日、ケンカに窓ガラスは割るわで、冬は耐えられません!!」     「僕なんかこの前、生徒に殴られて差し歯 取れちゃったんですよ!ホラッ」     中年太りの教員が口を開いて見せた。     「あぁ!わかっていますよ。こちらとしても色々と手を打ってはいるのですが…なかなか」     そんな空気の中、とある一人の教員が何か物々しい空気で校長の前に現れた。     手には『辞表』と言う文字の紙が一枚。     「まっ…まさか君?」      「もうやってられましぇ~ん」     と、言い教員は会議室を よたよたと去って行く     「また、一人去りましたね校長…何人目でしたっけ」    悲しそうに教頭は言う      「記念すべき50人目じゃな」
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加