52人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは、昔の風情も残しながらも少しずつ都会になりつつある町にある、私立『日野高校』。
春の暖かな風が吹くのに、会議室には慌ただしい風が吹いていた。
「校長!このままでは、この学校は生徒数減少とともに、経営が難しくなる一方です」
とある教員が言う。
またある教員は、
「校長!またうちの生徒が他校とトラブルを…」
と、またまたある教員が
「組長!」
「誰が組長じゃ!!」
って言うやり取りは置いといて、とにかく慌ただしく動いていた
「校長!何か手を打たないと大変な事になります。毎日、ケンカに窓ガラスは割るわで、冬は耐えられません!!」
「僕なんかこの前、生徒に殴られて差し歯 取れちゃったんですよ!ホラッ」
中年太りの教員が口を開いて見せた。
「あぁ!わかっていますよ。こちらとしても色々と手を打ってはいるのですが…なかなか」
そんな空気の中、とある一人の教員が何か物々しい空気で校長の前に現れた。
手には『辞表』と言う文字の紙が一枚。
「まっ…まさか君?」
「もうやってられましぇ~ん」
と、言い教員は会議室を よたよたと去って行く
「また、一人去りましたね校長…何人目でしたっけ」
悲しそうに教頭は言う
「記念すべき50人目じゃな」
最初のコメントを投稿しよう!