不審者

2/5
660人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
天気が良い。 雲ひとつ無い澄み切った空だ。 雨なんて降ってたら最悪だもんな。 そんな事を考えながら歩いた。 日曜日の穏やかな住宅街を歩く。 とりあえず、駅にでも向かうか・・・。 その時、どこかでパリン!というガラスの割れるような音が聞こえた。 なんだ・・・? 音の大きさからしてここから近い。 普段だったら気にとめないが、なぜだか無性に気になる。 どうやらこの家の庭の方から聞こえたな。 大きな日本家屋だ。 ここらではちょっと有名な家で、確か医者の家って聞いた事があったな。 普段なら絶対にしないが、まぁ見つかったら見つかったでいいやという気持ちでその家を囲う壁を乗り越え、庭に下りた。 片腕の状態だったからかなり苦労した。 庭に下りてみると・・・、なるほど、でかい家だ。 どうやら留守のようだ。  
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!