最後の時間

戸田 慶治

いっその事、銀行強盗でもしてみるか？
成功だろうが失敗だろうがかまわない。
人生の最後を派手に終わらせるのもありかな･･･。

･･･いやいや待て。面白そうではあるが、犯罪者になって死ぬってのはなんか後味悪い。

じゃあなんか今までに食べた事の無いようなご馳走でも食べるか！

･･･金がない。

友達集めて酒でも飲んで馬鹿騒ぎでもするか！

･･･ｵﾚは酒が飲めない。

はぁ･･･、なんとも発想が貧相なｵﾚ。

何かないか･･･？

こうして悩んでいる間にも時間は時を刻んでいく。

死ぬという事に対しては、不思議と恐怖というものは無い。

現実味が無いからというのも若干あるとは思うが、助かりたい！という強い思いは無い。

死ぬなら死ぬでしょうがない。

だが、このまま部屋でただ死を待つのは嫌だ。