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彼女は自分が滑って転んだ原因が、床に溜まっていた血だという事に気付いたのか、青ざめているようだ。
「ちょ・・・、まぁ・・・、落ち着こうよ・・・」
小さな声で彼女に話しかけた。
彼女がこっちを見る。
おお・・・、寝ている時も美人さんだったが、起きてる時も美人さんだな・・・。
「あ、あなた・・・、誰ですか?」
彼女は怯えた声で話しかけてきた。
「・・・え?覚えてないの?」
オレは落ち着いた声で返事をし、
「君、ど、泥棒してたよね・・・。っていうかそもそもその血も君に刺されてでてんだけど・・・。」
なんていって良いかわからずそう言った。
彼女は・・・
しばらく何かを考えていたようだが、突然、何かを思い出したような顔になり、
「ごめんなさい!許して下さい!」
と、いきなり慌てふためき、
「で、出来心だったんです!ごめんなさい!許して下さい!」
と連呼。
逆にびっくりしたオレは
「いや、まぁ、とりあえず落ち着こうよ・・・。」
そう言って、コップにお茶をついで、彼女に差し出した。
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