プロローグ

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天使の子は急いでお父様の待つ部屋へ行きました。そこにはいつもの優しい顔ではなく、とても寂しい悲しい表情をしていました。 そして悲しい悲しいことを話し出すのです。 天使の子が養子だということ。本当の親が返して欲しいと言っていること。そして…それを承諾したということ。 天使の子は何も喋らずお父様の目をジッと見て話を聞いていました。 そしてこう言うのです。 「分かりました」…と。 もちろん悲しくないわけありませんし、新しい家族と暮らすことに抵抗がないわけではありませんでした。そして何より大好きなお兄さん達と離れるのがとてもとても嫌でした。ですが天使の子はお父様の顔を見てなにも言えなくなりました。そして泣く泣く受け入れたのです。
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