8963人が本棚に入れています
本棚に追加
他人には、不可解な行動だろう
「…そろそろかな」
時計をチラリと確認して、そう呟くとまた窓際を見つめる。
呟いたのとほぼ同じタイミングで、向かいのマンションのベランダに洗濯物を持った女性が現れた。
「今日も可愛いな…」
彼女を見つめていると、頬が緩んでいくのが自分でも分かる。
俺の毎朝の挨拶の理由。
俺の毎朝の日課の理由。
彼女に挨拶していたのだ。
彼女にはきっと届いていないだろう。俺の自己満足なのだから…。
日課は、朝だけではない。
何かあれば…いや、何もなくても、向かいに住んでいる彼女に色々な話しをする。
その日一日の出来事や、他愛もない話し。嬉しかった事や、悲しかった事。
そして必ず、【オヤスミ】の一言を彼女に告げ、俺の一日は終わるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!