始まり

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こんな暗い道を女の子一人で歩いて帰るなんて…最近は物騒なんだから気をつけなきゃ! 磯山さんの後ろ姿にそう語りかける俺。 自分がしている事など棚に上げ、他の男共につけられたりはしないかと心配していた。 磯山さんとたまにすれ違う男を見ては、彼女が何もされないようにとヒヤヒヤしながら見届ける。 歩いて5分位だろうか----。 茶色いお洒落なマンションが見えて来て、その中へ彼女が入って行くのが見えた。 見失わないようにと、俺も駆け足でマンションへ向かう。 オートロック式ではなく、関係者以外でも簡単に出入りできるようなマンション。 簡単に入れて良かったと安心する部分もあれば、彼女を心配している俺もいる。 万が一何かあったらどうするんだ?まったく… エレベーターに乗り込んだ彼女の後ろ姿を確認して、表示されている階数を見つめた。
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