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「今日は電気代の請求書だけか…」
ポストの前に立ち、ポツリと呟く。
手にした請求書をまた丁寧にポストの中へ戻すと、ゆっくりその場を後にした。
勿論、先程手にしていたのは、俺の請求書ではない。
イコール、俺のポストではない
彼女…“磯山 栞“のポストだ
彼女の向かいのマンションに住んで、もう大分経つ。
毎日仕事の帰りにポストに寄っては、彼女に怪しい郵便物が届いていないかと確認していた。
そのおかげもあり、彼女の正式な住所も、フルネームも知る事が出来たのだ。
栞は未だ俺の存在など全く気付いていない。
もっと親密な関係になりたいものだと、いつも考えていた。
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