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俺の頭を過ぎるのは
【彼氏】
と言う二文字の言葉。
あれだけ可愛いのだ。
彼氏がいないハズがないだろう
男がほっとく訳がない。
しかし、何処かで期待していたのも事実で…俺は、ただ呆然と二人の姿を眺めていた。
楽しそうに笑い合う二人。
俺は一体何をしているんだ?
突然、自分のしている事に虚しさが襲う。
何が“見ていられるだけでいい“だ。
ふざけるな。
本当なら俺も、あの男のように彼女の隣で笑い合いたかったんだろう?
彼女のあの笑顔を、俺だけに向けて欲しかったんだろう?
彼女のあの可愛い声で、話し掛けて欲しかったんだろう?
自分の存在に気付いて欲しかったんだろう?
俺が栞の事を考えているように
栞にも俺の事を考えて欲しい。
ならば、どうするべきだ?
…彼女に…栞に俺の存在を知って貰えばいいんだ…。
簡単な事じゃないか----。
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