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そして、気に入らないラジオの選局を変える。
すると今度は観衆の笑い声と落語が流れてきた。
『そこにまた、さっきのカラスが飛んできて、カー、カー…』
「何がカーカーだっ!このぉ!」
バチンと音を立ててラジオを止めた。
そして、一つため息をつき、外に目をやる。
開け放たれた窓の向こうには、ベランダでにょきにょき育つミニトマトのプランター、今にも崩れ落ちそうな錆びた手摺り、青々と生い茂る木々、昨日干したぞうきんがかかったままの洗濯竿。
…洗濯竿。
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