一章「真実」

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「何誤ってるんだよ?ユキ姉?」 「ユキ姉ね、タカフミの事、あの人に言えなかったのよ。」 「別に、それは良いよ。その人の連絡先とかわかる?」 ユキ姉はコクとうなずいただけだった。 「教えてくれる?」 おれはユキ姉に聞いた。 「会いたい?」 ユキ姉の問いに俺は正直な気持ちを答えた。 「ん~正直、今はその人の事恨んでない。  姉さんやユキ姉と同じ歳なんだろ?その人って。」 「そうよ。」 「さっき、同窓会で会ったって言ってたからさ  だから、もうその人にはその人の家庭があると思う。」 「そうね。その人は結婚しているわ。子どももいる。」 「だろ?ユキ姉も4年前だっけ?結婚したじゃん。  普通ならユキ姉達ぐらいの人は結婚してる  俺だってそれぐらいの事はわかってる。  その人の家庭まで壊す気は無いし、名乗りでる事もしない  だから、俺は会うというより、見てみたいんだ。  できれば、姉さんとの事も聞きたい。  だから息子としてではなく、元カノの弟として会いたい。  ん?何か変だね?元カノの弟としてってさ」 俺は明るく振舞った。 「そう、じゃ、私が月曜日連れてくるから。」 「本当?お願いね、ユキ姉。」 「でも、相手も予定とかあるかもしれないから絶対とは言えないよ」 ユキ姉は最後にその言葉を付け加えた。 俺はユキ姉とその人との関係を知らなかった。 その時はただユキ姉は知り合いだと思っていた。 月曜日までは・・・
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