二章「命日」

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「どうしたの?タカフミ?」 お袋が聞いてきた 「何が?」 「さっきまで笑っていたのに急に黙りこくって。」 俺は親父の子どもじゃないんだろ? そう聞きたかった。でも、それは出来なかった。 「いや、俺が親父に似るとこ、想像した・・・ちょっと。」 「いやーね、この子は。息子は父親に似るって相場が決まってるのよ。」 お袋が笑いながら俺に返した。 「・・・私に似るのは・・・いやか?タカフミ?」 親父が聞いてきた。 「いや、別にいやじゃないけど・・・」 「・・・いやじゃないけど、なんだ?」 「想像が出来ないって言うか、ほら、  俺って若い頃の親父を知らないしさ。」 なんとか誤魔化した。 そうこうしているうちに郊外の霊園に着いた。 「・・・やっぱり、いやか?」 親父はその事にしかふれない 「親父ウルせーよ!姉さんの前でもその話すんのかよ。」 「はいはい、もうお父さんも良いじゃないの」 お袋が止めに入った。 しばらく歩いて姉さんの眠る墓についた。 月命日の度にお袋がここを訪れ、掃除をしている。 そのお陰か、雑草はあまり生えてない。 お袋は前月来てお供えした花を取り替えて 線香を準備し始めた 「こら、タカフミ、お墓磨きなさい。」
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