プロローグ

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今日もいつもと同じ朝がきた いつもの様に目覚ましが鳴り、いつもの様に学校に行く準備をして いつもの様に1階へ降りて行く ただ、いつもと違うのは今日から新しい月に入った事だけだった 「おはよう、タカフミ。」 リビングに入るとお袋が朝の挨拶をしてくる 「うん、おはよう。親父、今日の天気は?」 親父はリビングのソファに腰掛け、新聞を読んでいる 「快…晴…だな。」 「そっか。」 これが俺と親父の朝の挨拶代わりだ。 「んじゃ、学校行ってくるわ」 「ちょっと、タカフミ!朝御飯は?」 お袋が聞いてきた 「今日は…いいや、早く行って図書館で勉強もしたいし。 」 今朝は両親と一緒に朝ごはんをたべたくなかったが、お袋を心配させないように嘘をついた 「じゃ、行ってきます。」 俺はそのまま家を出た。 学校へ行く道のりはいつもと少し違う感じがした 少し寒くて、街がいつもより静かに思える。 「またこの季節がやってきたね。  週明けには7回忌か…早いもんだね。  何度迎えてもやっぱ慣れないや。  あっちはどうだい?楽しい?母さん。」 その時見上げた空はあの日と同じで綺麗に透き通っていた。
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