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ユキ姉は俺の問いに動揺していた。
「な、何言ってんの?あなたのお父さんは叔父さんだけよ。」
そういって自分の机に戻って書類を色々見始めた
俺はベットから出てユキ姉の近くによった
「なぁユキ姉、俺知ってるんだ。」
「何を?」
ユキ姉は俺の顔を見ない。
ユキ姉は俺の父親を知っている。
俺はそう確信した。
「7年前、姉さんが死ぬ時に教えてくれたんだよ。」
そう、7年前のあの日に・・・
当時俺は10歳、姉さんは24歳だった。
姉さんは俺を日曜日になると決まって映画や買い物に連れて行ってくれた
俺は姉さんが大好きだった。
いつも仕事から帰ってきても遊んでくれた
お袋がパートでいない時は姉さんが俺の世話をしてくれた。
俺が熱を出した時も俺をおぶって病院に行ってくれた。
俺をいつも「タカちゃん」と呼んでくれた。
そんな姉さんが俺は大好きだった。
その日も日曜日で俺と姉さんは夜遅くまで遊びまくっていた。
「タカちゃんそろそろ帰ろっか?」
「うん、そうだね。お父さんもお母さんも待ってるし。」
俺はそう言って走りだした。
「姉ちゃん!!駐車場まで競争だよ!!」
「もう、タカちゃん、あぶないわよ。」
姉さんはそう言って俺を追いかけてきた。
その時俺は姉さんに買ってもらった「ゲームソフト」を落としてしまった
そんな俺を姉さんは横から抜き去った
「タカちゃん、お姉ちゃん勝っちゃうよ?」
「姉ちゃん待ってよぉ~」
俺は姉さんを追っかけた
追っかけて、追っかけて、追っかけた
でも、信号で俺は止まってしまった。
姉さんは信号待ちしている俺を反対側で待っていてくれた
車両様の信号が青から赤に変わった時に俺は走り出した。
その時に覚えているのはそこまでだった。
次の瞬間俺は信じられないものを目にしていた
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