悲しい決意

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「間宮センパイ!留学するって、マジっすか?!」 「えっ?マジで?かっけえー!」 先輩に群がる、水泳部の部活仲間たち。 「まだ本決まりしたワケじゃねえって。テストとかあるしな。」 そう。 本決まりしたワケじゃない。 決まるワケない。 「しかし、よく石川も了承したなあ!」 部活仲間の一人が、俺の肩に手を置いて話しかける。 俺と先輩が付き合っている事は、学校の皆が知っている。 でも先輩の人望の厚さのおかげで誰もが応援してくれている。 「…先輩の未来の為ですから。」 心にもない事を言う。 「ああ、最初メチャクチャ怒られたけどな!分かってくれてよかったよ。」 笑顔で話す先輩。 …先輩は昔から変わってない。 意外と鈍感で、人に甘い所。 俺の事、分かっているようで分かっていない。 俺はそんなに甘くない。
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