悲しい決意

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「分かってくれよ、リョウ。お前が応援してくれれば、おれも頑張れっからさ…。」 そんな風に、俺の良心を求められても、素直に応援なんてできない。 納得できるワケがない。 だってアメリカに行くって事は… 「…俺と、別れたいって事ですか…。」 「…違うよ…。」 俺がまっすぐ見つめて問うも、先輩は目を合わせない。 合わせようとしない。 「…違わなくないじゃないすか。アメリカへ行きたいって事は、そういう事でしょう?会わなくなれば、気持ちは薄れてく。先輩は、それを望んでるんでしょう?」 俺の声が震える。 先を想像して、俺は不安を覚えた。 「違う!別れたくてアメリカへ行くワケじゃねえ!それは誤解するなよ!」 先輩が声を上げる。 俺と別れたいからじゃない。 それは分かってる。 けど、皮肉の一つでも言わないと気が収まらない。 「おれ、もう決めたんだ。誰に何を言われようと、おれはアメリカに行く。」 ─────どうして… どうして、そんな悲しい事を言うんだ… 『誰に何を言われようと』 俺は、先輩の恋人じゃなかったのか…? 俺は、先輩の中に存在していないのか…? 先輩にとって、俺は何だったんだ…?
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