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私は溜め息を漏らした。 幸せが逃げるぞって雪也にまた頭をコツンとやられる。いたぁって大げさに頭を押さえると雪也は笑ってた。 くそぅって思いながら和くんへ視線をやると、真剣な表情で真名達を見ていた。 和くんが真名のこと本気なのかな?ってこういう姿を見ると思ってしまう。 真名を目の前にするとちゃらんぽらん…軽い感じに接してるけど、真名がいない時は真剣な眼差しで見つめてるのを知っている。 よくわかんない。 なんでいつも軽い感じに接するんだろ。 真名が軽いの嫌いって知ってるはずなのに。 「和くん。」 制服の袖をつんっと引っ張る。 一瞬ビクッとしてから、ニカって笑いながら私を見た。 行こっかって私の頭をなでる。 何も言わず頷きそのまま教室を目指す。 ねぇなんで、人はただ一人を選ぶのだろう。 誰かのただ一人に なりたいと思うのだろう。
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