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「ごめん真名。
また寝てたんだね、いつも起こしてくれてありがとう。」
授業中眠ってしまった結香を起こすのが
真名の日課になっていた。
両手を顔の前で合わせる。
いつものように謝り感謝を述べながら、はにかみ、無邪気に笑う。
真名はこの無邪気な笑顔に負け、いつも何にも言えなくなってしまう。
「はぁ…いつもながら結香はよく寝るね。
これでテストは毎回上位だし。真剣に授業受けてる人がかわいそうになってくるよ。
先生も諦めてるし。」
真名は珍しく愚痴をこぼした。
「いやん、そんなこと言わないで。
真名が毎回優しくノートを見せてくれて、すごくわかりやすくて。
それを見て勉強してるもん。
だから、真名のおかげ☆」
座っていた椅子から立ち上がり、隣に立っていた真名に抱きつく。
‘真名のおかげ’
と言う部分を強調させて、キラキラした目で真名を見つめる。
「もぉ…
結香には負けたわ。」
可愛い小動物の様な結香を、包むように抱きつき返す。仲睦まじい友情‥?
はぁ、お前らなんなんだよ…。とでも言いたげな顔で、雪也は呆れていた。
毎度のことながら一部始終に口を出せず、二人をただ見つめることしかできない。
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