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「…ん、あー、いや、ていうかさ、春花は別に変になってないと思うよ。」
「……お父さん!!真面目に考えて下さい!私は休むなと言ってるわけじゃないんです。でも、娘さんが心配じゃないんですか?帰ってるかどうかもわからないなんて…ブツブツ」
うお、熱血。
いや、暴走系?
それから、青木先生は同じような話しを二回くらいして、また明日、春花がいる間に来ると言い残し鼻息荒く帰っていった。
俺は眠るタイミングを逃し、仕方なくレベルを上げながら仕事までの時間をつぶしていると、ふいに携帯が鳴った。
「…もしかして、青木ちゃん来た?」
「おう。お前、学校行ってないの?つうか帰ってきてんの?」
「あー…、学校は行ってない。昨日はお風呂だけ入りに帰ったけど。そんで、今日も帰らないから!」
「ああ、そう。明日、またあの可愛らしい先生来るんだけど。対応めんどいから帰ってこれない?」
「明日は無理だね。うまいことやりなよ。親でしょ。」
「ボビー飼ってた頃の13倍は面倒臭ぇ。人の親って面倒臭ぇなぁ。ったく。」
「ははは、なんだよそれ。ムカつく。ま、よろしくー。あ、青木ちゃん食っちゃダメだよ。みんなのアイドル先生なんだから。」
「なら友達誰か紹介しろや。」
「死ね。変態じじい。」
お父さんそんなこと言う子に育てた覚えはありません!って言おうと思ったら電話切れてた。
「…………ですって。てなわけで帰ってきてません。残念。」
「………………お父さん!!」
「は、はいっ。」
びっくりした。
「娘さんが心配じゃないんですか!!?」
「いや、まぁ、本人が大丈夫だと思うならいいんじゃな…」
「よくありませんよ!!確かにこの時期の子供はしたたかで世渡りなんかも上手くなる側面もあります。でもまだまだ判断力も無くて繊細なんです!家庭や学校できちんと手を引いてあげないと、間違った方向に進んでしまうことだって充分あり得ることなんです!」
うーん。
「まぁそこまで言うなら……
週末、探して尾行でもしてみましょうか?」
「……はい?」
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