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ライナー性のボールは2人の選手に触れられることもなく、
完全にクロスだと思っていた日本代表の壁をもすりぬけ、
ゴールに吸い込まれていった。
その瞬間、
ゴールに壁ができたかのように、ボールが跳ね返った。
山口だ。
山口だけはシュートの可能性を読み、そのボールのコースを消していた。
「これは危ない。今のボールはパスじゃなくてシュートだったようです。」
こぼれだまを拾った南部は、
すぐにボールを大葉に渡した。
完全にあがっていた韓国の守備陣は枚数が薄く、
大葉の前にいる選手は5人。
うち2人は飯田と神田であった。
「これは見事なカウンターです。」
さらに、この絶好機に梶田がものすごい勢いで上がってきた。
それをみた大葉は迷うことなく梶田にパスをだした。
「さっきまで守備にまわっていた梶田がもうここまであがっていますよ。」
枚数は3人。
日本は4人の数的有利の状況が生まれた。
梶田はボールを受けると、ダイレクトでボールを逆サイドへ放り込んだ。
そして、そこには山口の姿があった。
「山口だぁぁぁ!!」
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