秘剣、旅立つ。

8/48
前へ
/325ページ
次へ
一瞬、集中力が切れたと同時に、 木人達が襲い掛かり、見事に、頭、胸、腹、腰、脛、一本づつ入れられた。 木の上では、我慢していた笑い声が、爆発していた。 少女は、今にも枝から落ちそうな位手足をバタつかせ、お腹を抱え笑っていた。 少年は、すぐさま反撃し、瞬く間に5体の木人をなぎ倒した。 すっと目隠しをとり、笑い声の主を睨み付け、怒りをあらわに大声を上げる。 「ミン!」 叫ぶやいなや、凄い跳躍力で、一気に、ミンのいた場所まで飛んで来た。 トンと跳ね、枝から枝へ逃げるミン、 「いや~ドリファンがおこった~」 ドリファンの怒りますます、木刀を振り回し、凄い勢いで迫るも、いっこうに追い付かない。 追うドリファン、逃げるミン。 「いや~ん、許してゆるして!」 と、言いつつ、ミンの顔は、満面の笑み。 嬉しくって嬉しくって仕方がないようだ。 相変わらず、ミンは、木の葉一つ動かさない。 一方、ドリファンは、凄い勢いで風を巻きながら移動しているので、枝を折らないものの、ガサガサ音を立てている。 「こら~ミン」 「いや~ん、ゆるして!ゆるして!」 「まて~!」 「おねが~い、ゆるして~!」
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加