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秘剣、旅立つ。
深く暗い地の底の大神殿。
その、大広間にぽつりと玉座が、
奥のほうに据えられている。
玉座より奥の壁面が完全に床に着いておらず、
すき間から、
地の底の獄炎が灯りとなり、
赤黒く壁を照らす。
それが、いっそう玉座を暗く、
また、
広間には玉座以外無く、
孤独と恐怖を誘う。
そこには、
玉座に座る者と、
その前に膝まづく者しかいない。
玉座の主は、
膝まづく者に静かに、問いかけた。
「首尾はどうか、……。」
「はっ、進軍を開始したところでございます。」
玉座の主は軽く頷き、
再び、
広間は、重い沈黙の世界に入っていく。
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