秘剣、旅立つ。

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黒鎧の騎士が、部屋に足を踏み入れたとたん、 ピシッ!と、 音がしたのでは、 と、思うほど空気が張り詰めた。 周りが、急に暗くなり、視界が奪われて行く。 黒鎧の騎士は、経験が豊富で、 瞬時に、 自己分析から始め、周囲に至るまで、状況を確認し、 魔力による技、もしくは、術を受けていると判断した。 身体は動く! 騎士は、剣に手をかけ、 気配に集中して、相手を探した。 見つけた! しかし、 経験豊富な騎士は、すぐには仕掛けなかった。 自分と相手の力量を測っていた。 そして、 絶望的な力の差を感じとっていった。 幾多の危機を乗り越えて来たが、 ここまで力の差を感じたのは、始めてだった。 これほどの実力者ならば、 黒鎧の騎士は、剣にかけていた手をおろし、 力の主の方に向きなおした。 力の主が、問い始めた。
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