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タバの森は、昼を過ぎ、
いよいよ森気(しんき)を吹き出していた。
まるで、緑の気は、いる者全てを溺れさせるような、緑の気の泉の底にでもいるかのような、清々しい力に満たされていた。
ダマリアの家の向こう、タバの森奥深く、
木漏れ日の中に、一人の少年が、木刀(かたな)を構え、たたずんでいた。
気、穏やかにし、静かにしている。
ダマリアに、教えられた事を思い起こしながら、気配を感じ、周りを探っていた。
少年は、目隠(めかく)しをしている。
木々の合間から、じりっ、じりっ、っと、近づいてくる、
木で簡素に造られた人形、木人は、
木刀を持って、襲い掛かろうとしていた。
ビュッっと、後ろから木人が襲い掛かる、少年もサッとよけ、構えを整える。
次に、二体の木人は、正面と右側面から襲い掛かった。
立て続けに繰り出される連撃に、辛うじてかわしているものの、
服は破られていく。
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