第三章

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「おはよぉ貴助!」 「あー…うん」 次の日の朝。 俺はいつも楽しく来るはずの学校が少し嫌だった。 「ちょっとテンション低くなーい?」 「別に。」 朝から腕に絡み付く女、葵がうっとおしい。 「何かあったの?」 …こいつ勘いいな。 「……女泣かせたらどうしたらいいの?」 「はっ!?貴助そんな事したの?」 「うっせーな…」 「謝れば?」 「俺が?」 「あたりまえじゃん!」 「…」 「変なプライド持たないの!素直に謝る!それがいい。」 「うん…そうだよな。」 「で、その女って誰?」 「言えるかよ!!」 「そんな怒んなくていいじゃん…!」 「うっせーよ!」 俺はその場に居づらくて教室を出た。 その時1時間目の授業が始まるのか、担当の教師と入れ替わった。 「佐藤お前どこ行くつもりだ?」 「気分悪いから保健室。」 「保健室はそっちじゃないだろ!」 「んー隠し扉あるんで、こっちから行けます。」 「お前は忍者か!バレる嘘をつくんじゃない!」 本当の目的地はマチコの教室だ。
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