第三章

3/11
前へ
/319ページ
次へ
やっぱり男として潔く謝ろう… マチコの教室の前にまでいくと先生の声が聞こえてきた。 「こらぁぁ上原マチコ!教室で傘をさすんじゃない!」 ………何やってんだ? 俺は教室のドアをこっそり開いた。 マチコは机の横にガムテープで傘の持ち手部分を固定して、傘をさしている。 「せんせぇ!これは光君がくれた傘なんです!たためません。」 ちょ…アイツ二次元と三次元の区別ついてねぇ!! しかも傘にデカイ字で内藤って書いてあるじゃねーかよ! どっからパチった! 明らか内藤君のでしょ?内藤君に返してあげてよ!! 「おー光君とは誰だ? 第一、今日は天気いいぞー。その光君とやらは晴天に傘を渡す奴なのか。」 「うっさいんじゃボケェェエ!!!向こうの世界では今日雨なんだよ!!なめくさっとんかワレェェ!!」 マチコが切れ出した。 「向こうの世界とはなんだ?先生に分かるように説明してくれ。」 「光君の世界や!ヒカパラや!」 「ヒカパラとは何だ?」 「テメェ全部疑問文で返してんじゃねーよ!! ほんまに分かっとんか!!めんたま傘でほじくりだすぞワリャァァ!!!」 マチコはガムテープで固定された傘を剥ぎ取り傘の先端を先生に向けた。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2305人が本棚に入れています
本棚に追加