第十四章

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「勝手に家きてもうたけど大丈夫?」 学校が終わるとうちらは貴助の家の前にきた。 「いけるいける。寒いから温かいお茶でも出してもらおう」 あつかましいな葵。 もう12月。 雪が降りそうな空。 ピンポーン ためらいなくラブはインターホンを押した。 「…はい」 「貴助~私らだよぉ! 今日休みだったから心配してきちゃった」 「風邪はひいてないけど…」 貴助の声が暗い。 インターホン越しやからか? 「とにかく家ん中あげろや」 「…入りたいなら入れば?カギ開いてるから」 貴助の様子がおかしい。 ラブも気づいたのか一瞬眉間にシワを寄せた気がした。 「おじゃましまぁす」 「マチコちゃん、階段気つけてね」 「…うん」 『入りたいなら入れば』 そんな冷たい発言するような人だっけ? いつもの貴助なら笑顔で入ってきてほしそうに言うやん。
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