第一章

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上原マチコ… どんな奴か知らんが一度拝見してやろうじゃないか。 暗くてブスなイメージがあるが、どうせそういう女こそ男に惚れやすい。 どうせ勘違いしてるだけだろう。 俺は1年2組の教室前に立った。 近くにいる男に話かけてみる。 「上原マチコっている?」 「え…上原さん?あそこにいるけど。」 見ると教室の一番後ろではしっこの席に座っている。 俺はそいつに近づいた。 周りは今、昼休みで外へ遊びにいったり誰かと喋るために集まったりしている。 だが上原マチコだけはイスに座り何か作業をしているのか下を向いていた。 小柄で髪の毛は黒く長い。 下むいてるから顔見えねーし怖い。 インキャラ全開じゃねーかよ。 スカートも膝下で長いし。 真面目子ちゃんか… ハハッ! モテオーラなし…。 俺が上原マチコの横に立っても、そいつは気付かなかった。 ずっと下を向いて何かしている。 「ねぇねぇ、さっきから何してんの?」 俺は微笑み彼女に話しかけた。 その時、ドスの聞いた声で俺を睨み付けた。 「あぁ?なんじゃテメー」 俺は一瞬で彼女に釘付けになった。 口調が悪いとかじゃない。 自分が想像していたより可愛かったんじゃない。 彼女は… 眼鏡じゃなくピンクのゴーグルをはめていたからだ。
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