第一章

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なんじゃこいつはァァァァァア!!! 眼鏡かと思えばゴーグルしてるし! しかも髪の毛…ゴーグルの中食い込んでるんですけど。 つか食い込み過ぎて、もっじゃもじゃなんですけど! 水泳の時間じゃないのに何でゴーグルはめてんの!! 意味分かんないんですけど!? 「えーと何してるのかなぁと思って…」 俺の顔はひきつっていたに違いない。 俺は上原マチコと顔を合わせられずにいた。 「何ってDSしてんねんやんか。」 彼女はなぜか関西弁を喋っている。 「へぇーDSかぁ俺もたまに遊ぶよ!何のゲーム?」 ここで食い下がれない俺は一生懸命喋ろうとする。 「あー今やってるゲームはドキドキ学園物語やで。」 「何だよそれ…」 「まぁ学園の男の子と恋するシミュレーションゲームやな。 あと四つぐらい今日は持ってきてるで。」 オタクだ…!! こいつオタクだ!! ヤバい! 意味の分からん話に飲み込まれる!! 会話変えよう! 「ふーん…てかマチコちゃんって可愛いね☆」 とりまその食い込んだゴーグル何とかしろ。 「モテそうだねぇ」 「ありがと。」 少しは謙虚に否定しろよ!! つか、お前まったくモテた事ねーだろ! 何嘘ついちゃってんのコイツ!! 「そういや彼氏7人もいるって噂で聞いたけど本当?」 いるわけねーだろ。 いないって言えよ!! 「おるで。」 マジでかっ!! 「一番付き合い長いのが光君かなぁ。 彼笑うと可愛いのにいつもクールで笑わへんねん。モデルしてるんやけどな!」 モデル!? 「次に浩二君でしょー。彼は、なかなか女の子嫌いでなぁ、私にも心開いてくれへんくて時間かかったなぁ~」 「それどんな彼氏?俺見てみたいな!」 俺が興味深く聞き出すもんだから彼女は嬉しそうにした。 「うん、ええで。今全員見せる事出来ひんけど。」 え、プリクラとか見せてくれんのかな……? だが彼女はDSのカードを抜き取り、別のカードを差し込みだした。 まさか… 彼氏って2次元? え、もしかしてシミュレーションゲームの彼氏? 彼女はDSを慣れた手付きで操り俺に画像を見せた。 「これが光君ね。」 やっぱりかァァア!!
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