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「だから何度も言ってるじゃん」
「嫌…絶対嫌!」
「とりあえず俺の言う事聞いてよ」
「嫌やって言ってるやろ!」
このクソアマッ!!!
俺は上原マチコに苛立っていた。
それも最悪の場で。
どこかって?
ここがどこかって!?
「あの君たち…」
眼科だよ!眼科!
どうやらコンタクトにするには眼科で検査が必要らしい。
「他の方もいらっしゃるので…」
「あ?誰じゃテメェ!眼科医師やからって眼鏡かけてんちゃうぞゴラ!!頭良く見せてるつもりかぁテメェエ!!」
「先生脅してどうすんだよ!!」
「だって私のゴーグル見てほくそ笑んどるやんか!!」
「いや、どうみても営業スマイルだから!
てかゴーグル外してくれなきゃコンタクトできないだろ?」
「だってゴーグル外したら恥ずかしいねんもん!」
ゴーグルはめてる方が恥ずかしいわッ!!
「あの上原さん…」
「早く取りやがれ!」
「あかん、これだけは死守せなあかん!
世界が見えたら最後や!」
意味わかんねーよ。
眼科まで来て、上原マチコはコンタクトを嫌がった。
いや、まずゴーグルを外す事を嫌がった。
さっきから同じ繰り返しでが何も進んじゃいない。
「それを死守するんだ…へぇ…」
俺は最終手段の上原マチコの鞄からDSを取り出した。
「ハッ…それは!」
「これ投げて潰してもいいんだよ?
一生使えないようにしてやろうか?」
「くっ…」
「ゴーグルとDS…どっちが大切かなぁ?」
俺はDSを投げる素振りを見せた。
「ああああ!あかんッやめてェェエ!!それだけは!」
やはりオタク。
DSを取るかゴーグルをとるか…。
「光君が死んじゃう!」
「じゃあ俺のいう事聞けるよね?自分の視力計るだけなんだし。」
「…」
「光君死んじゃうよ?
返事は?」
「はい…」
俺は勝ったと言わんばかりの笑みを見せた。
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