第二章

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「だから何度も言ってるじゃん」 「嫌…絶対嫌!」 「とりあえず俺の言う事聞いてよ」 「嫌やって言ってるやろ!」 このクソアマッ!!! 俺は上原マチコに苛立っていた。 それも最悪の場で。 どこかって? ここがどこかって!? 「あの君たち…」 眼科だよ!眼科! どうやらコンタクトにするには眼科で検査が必要らしい。 「他の方もいらっしゃるので…」 「あ?誰じゃテメェ!眼科医師やからって眼鏡かけてんちゃうぞゴラ!!頭良く見せてるつもりかぁテメェエ!!」 「先生脅してどうすんだよ!!」 「だって私のゴーグル見てほくそ笑んどるやんか!!」 「いや、どうみても営業スマイルだから! てかゴーグル外してくれなきゃコンタクトできないだろ?」 「だってゴーグル外したら恥ずかしいねんもん!」 ゴーグルはめてる方が恥ずかしいわッ!! 「あの上原さん…」 「早く取りやがれ!」 「あかん、これだけは死守せなあかん! 世界が見えたら最後や!」 意味わかんねーよ。 眼科まで来て、上原マチコはコンタクトを嫌がった。 いや、まずゴーグルを外す事を嫌がった。 さっきから同じ繰り返しでが何も進んじゃいない。 「それを死守するんだ…へぇ…」 俺は最終手段の上原マチコの鞄からDSを取り出した。 「ハッ…それは!」 「これ投げて潰してもいいんだよ? 一生使えないようにしてやろうか?」 「くっ…」 「ゴーグルとDS…どっちが大切かなぁ?」 俺はDSを投げる素振りを見せた。 「ああああ!あかんッやめてェェエ!!それだけは!」 やはりオタク。 DSを取るかゴーグルをとるか…。 「光君が死んじゃう!」 「じゃあ俺のいう事聞けるよね?自分の視力計るだけなんだし。」 「…」 「光君死んじゃうよ? 返事は?」 「はい…」 俺は勝ったと言わんばかりの笑みを見せた。
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