何もかも捨て

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だからって何も言わずに去っていくのはあんまりだ。 知っていたら学校を休んでも見送れたのに…… 「いや…見送れたか?」 「ん?どした桐生」 「……」 「おい?石になっちまったかー」 「帰る」 「は?」 すくっと立ち上がり一旦教室に入るとまた教室から出ていく。手には鞄を携えていた。 「早退します」 「ちょ、具合悪くないくせに早退なんかするんじゃない!」 「…先生」 ゆっくり振り返る。 その顔は酷く落胆の色を表していた。 「欲しかった存在を突然失うと全てがやる気しなくなる時ってありますよね」 「あ?あぁ、そうだな。確変で当たりが連続続いて浮かれていた時に突然ハズレがきて、それから暫く確変が来なく、結局ドル箱全部使い果たしても何も起きず終了した時は今日1日何もやる気がしなくなったよ」 「……ちょっと意味が違うけど、まぁとにかくそういう気持ちわかるよな先生」 「あぁ……わかるぞ桐生」 「そういう事なんだ。だから早退します。さようなら」 「はいはいさようならまた明日な…………て、待て桐生ぅー!!!」 .
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