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朋也「おまえ、そうやって、ビクビク暮らしてくのな」
春原「あのね…、僕だって、一対一なら引くことはないさ。たとえ、相手がラグビー部だとしてもね。けど、周りは全部ラグビー部の部屋…。こんな場所で事を起こした日にゃ…分が悪すぎるよ…でも、まぁ、卒業間際になったら、派手にやるのもいいね。そん時は、岡崎、僕の背中はおまえに任せるぜっ」
朋也「ラッキー、ザックリいくな」
春原「くるなよっ!いけよっ!」
朋也「だって、俺、ラグビー部側だぜ?」
春原「いつからだよっ!」
朋也「いや、そん時だけ」
春原「はい!?なんでよっ!?共に過ごしてきた僕らの二年間は一体何よっ!ええっ!?」
どぉんっ!
壁が揺れた。
続けざま、『静かにしろぉっ!』と怒鳴り声。
春原「ひぃっ」
朋也「蹴り返してやろう」
春原「やめてくれぇっ!」
朋也「おまえ、超ビビリな」
春原「おまえな…俺の立場に立ってみろよ…」
泣いている…。
春原「頼むから、ここでは大人しくしててくれ」
朋也「あ、ああ…」
その迫力ある惨めさに気圧されてしまう。
もぐもぐ…
俺は壁と万年コタツに挟まれた狭い空間に腰を落ち着けて、弁当に食べ始めていた。
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