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だから顔を合わせないよう、父親の寝入る深夜になるまで家には戻らない生活をずっと続けていた。
明け方に寝るから、目覚めるのは昼近く。
高校に入ってからの俺は、毎日のように遅刻だった。
そんな生活を続けて三年近くになる。
今日も制服だけ着替えて、父親が帰ってくる前に折り返し家を出る。
それが体に染みついた日常だった。
夜の町をうろつく。
最後に行き着く場所はいつも同じだ。
行きがけにある弁当屋で、夕飯となる弁当を買い求めた後…
それを手に、学校の坂下に建つ学生寮へ。
うちの学校は特に部活動に力を入れているため、地方から入学してくる生徒も多い。
そんな生徒たちは親元を離れて、ここで三年間を過ごすことになるのだ。
俺のような学生生活に夢を持たない人間とはまったく違う人物。
関わり合いになることもなかったが、こんな場所にあいつ…春原は住んでいるのだ。
春原は元サッカー部で、この学校にも、スポーツ推薦で入学してきた人間だ。
しか一年生の時に他校飲み生徒と大喧嘩をやらかし停学処分を受け、レギュラーから外された。
そして新人戦が終わる頃には、あいつの居場所は部にはなかった。
退部するしかなかったのだ。
その後も別の下宿に移り住む金銭的余裕もなく、この体育会系の学生があつまる学生寮に身を置き続けているのだ。
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